賢者の贈り物

お客が3人来るというのでc0065761_21552582.jpg
イチゴのパイを作った。
冷凍のパイ皮でケースを作り、
カスタードクリームとイチゴを入れる。

だいじに飲んでいた
FORTNUM & MASON のアールグレイは
昨日なくなったばかりである。

できあがった14個のパイと
放っておいてもいい客をそのままにして
「ちょっとおつかいにいってくるから」
と、アメ横まで買い物に出た。
いつも行く食料品店に直行すると
ほんのちょっと期限の切れたFAUCHONのバニラティーを
1缶300円で売っている。
「今日は、これだな」

帰ると、客はまだ話に夢中になっている。
3つも買ったバニラティーの缶を
袋ごとテーブルの上にどさっと置く。
・・・アールグレイがなくて残念だったけど
FORTNUM & MASON のアールグレイを
いつも半額で手に入れようというのは無理だし、
普通なら1300円のFAUCHONのバニラティーが
300円なのだから・・・

。。。パイの皿がない。
客の前にもない。
別の紅茶を飲んだらしい3つのティーカップとポット、
そして大きなパイの皿が
沈没寸前のタイタニック号のように
流しの中で傾いている。

パイはまた、作ればいい。
紅茶もまたいつか飲めばいい。
客もまた、来るだろう。

クリスマスに時計を売って、プレゼントの櫛を買ったジムや
長い髪を売って、ジムの時計のクサリを買ったデラに比べれば
全然たいしたことのない話である。

夕刻になって3人の賢者は帰っていった。
玄関先でも楽しそうに笑って、靴を履く間もふざけている。
「うまかったねー」
その言葉が3人の賢者の贈り物。

賢者の贈り物
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by mironobonus | 2005-04-16 21:42 | お茶とお菓子
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